秋田の土蔵と題して書いてきましたが、今回で最終です。書きたいことはまだまだいっぱいあるのですが、ボリュームありすぎなのでお許しを
3日目は「真田」という町を散策したのですが、この町は、、、凄かった
こちらの土蔵、真田の町の保存会が出来るまでは、普通に物置として使われていて、お施主さんも中をあんまり見たことがなかったと言ってましたが、土蔵を一般公開するということで片付けをしたところビックリされたそうです。
中は「座敷蔵」になっていて、奥には床の間も作られていました。
柱は一寸ピッチで組まれていて、その間の壁はすべて「磨き」になっていました。この柱の間隔は、「泥棒対策」だそうです。考えたものですよね
階段ですが、一枚板から滑り止めの部分を残して削ってあったり、梁が3段になってたりと、左官だけでなく、大工さんも手間暇かけた仕事がしてありました。
このお宅は、昭和11年に新築されたらしいです。築74年の建物です。
玄関の外壁部分に「大津磨き」が施工されてました。
中の壁はすべて「白漆喰磨き」でした。
土蔵はこれまた見事なもので、ピッカピッカでした
このお宅での1番の収穫は、この「桧皮壁(ひわだかべ)」です。これは桧の皮を裁断し、ニカワなどの糊で固めた「繊維壁」です。「久住さん」も文献では読んだことはあるが、実物見るのは初めてと少し興奮しておられました
写真ではわかりづらいですが、実物は物凄く繊細で、上品な表情でした
30~40年前位に流行って、今現在は廃れてしまった既製品の繊維壁とは全くの別物に見えました。
このお宅の土蔵が、今回のラストだったのですが、正直このお宅が1番凄かったと思います。
その理由はこの「水きり」です。
もう見事としか言いようのないこの精度。
「冠木」もこの精度
役物のすべての精度が本当に物凄く高かったです。
今回のこの秋田を見て回っていくつか思ったのは、手間暇かけて作られたものは、後々まで大事に扱われるということ。そして50年、100年経っても人が見たときに感動を与えるということ。ちゃんとメンテナンスをしていけば本物ならばもつということ。
メンテナンスフリーなんて言ってるものは数多くありますが、実際はどうなんですかね?
ちなみに最後の土蔵は、この前の地震で震度6,5で揺れたらしいのですが、何ともなかったとお施主さんが言ってました。
最終日の飛行機待ちの時間に「久住さん」が土蔵の扉の構造や、作る時のポイントなど、本当に最後の最後まで解説をしてくれてました。本当に貴重な4日間になりました。「久住さん」ありがとうございました。
そして今回の秋田に誘ってくれた「植田さん」に心から感謝します。ありがとうございました。